どんなポイント?
一年を通して様々な生き物が見られる、飽きないポイントです。イサキやスズメダイなどの群れが見られるのは主に夏ですが、冬にもムレハタタテダイの群れが見られたりします。夏から秋にかけてはクマノミが見られ、東京都心から一番近いクマノミが見られるポイントなんじゃないでしょうか?
また、悪天候に強いポイントでもあります。あくまで経験則ですが、ここがクローズするようだとごく一部の伊豆ビーチを除いて関東圏でオープンしているところはまずないと言えるほど強靭です。
二つのブイがあり、昔からノースエンドと呼んでいたポイントがAブイ(水底10m)、島前に近い新しいポイントがBブイ(水底5m)です。AブイからBブイを通って島前でエグジットすることができる程度の距離ですので、大きな差があるわけではありません。生き物情報を確認した上で、見たい生き物がいる方をリクエストすれば良いと思います。特段狙いがなければ個人的にはAブイから潜った方がこのポイントの良さがより楽しめるかなと思います。
春の景色
春はまだ水が冷たいせいか冬の延長でウミウシが結構います(でもアオウミウシはあまり見かけない気がします)。写真は模様やエラは派手なのに、色はちょっとシックなサガミリュウグウウミウシです。白くてフサフサのユビノウハナガサウミウシやミドリガイの仲間なども見かけます。
魚は夏に比べると少なめですが、キンギョハナダイの小さな群れや、オキゴンベやミナミゴンベなどのゴンベ系、シマウミスズメが見られました。ゴンベ系はじっと止まってくれるのでいい被写体ですね。
オルトマンワラエビは真冬以外は大体見られるんじゃないかという感触を持っています。ちょっと探せば1ダイブで1匹は見つかります。
夏の景色
夏になると魚が目に見えて増えてきます。イソギンチャクにはミツボシクロスズメダイだけではなく、クマノミも見られるようになります。秋くらいまで見られますね。
カミソリウオのような珍しい生き物も見られるようになります。かっちゃまのカミソリウオは緑系のものに擬態していることが多い気がします。よく探すとコケギンポやハナタツもいたりしますね。
また、2022年には南方の魚のイメージが強かったセナキルリスズメダイが散見されました(もっと前からいたかもしれないけど)。個人的には沖縄各所の水深20 〜 30mくらいで見かける印象があるので、関東の水深10mくらいで見られるのはかなりお得です。
群れも見られるようになってきます。ネンブツダイがこれでもかというくらい群れていて、その節々にソラスズメダイやキンギョハナダイの群れがいて彩を添えています。遠くから見ると綺麗なソラスズメダイは、アップで見ると結構いかつい顔をしているというギャップがあって面白いのでじっくり見てみると楽しいです。
水底から少し離れた中層を泳いでいると、スズメダイやキビナゴの群れが突如横を通り過ぎるのもこの時期です。また、このページの最上部にあるカゴカキダイも夏に撮った写真です。水深20mくらいのところでよく群れています。
様々なハゼが見られるのもこの時期かなと思います。ダテハゼはレア度は低いですが、穴からテッポウエビが出てきて共生しているところを見られるとテンションが上がります。レアものでは、ネジリンボウやヒレナガネジリンボウが見られることがあります。
激レアものとしてヤシャハゼが見られたこともあるそうです。一報を聞いて一眼見てみたいと思って急行しましたが、結局見られませんでした。
ウミウシも充実しています。定番のアオウミウシはこの時期あまりまだ見かけないなといった感じですが、サラサウミウシやナギサノツユ、ケラマミノウミウシ、サメジマオトメウミウシ、スミゾメミノウミウシ、レアものではボブサンウミウシやサフランイロウミウシなどをを見たことがあります。ソフトコーラルを目を凝らして見てみるとトラフケボリやツマニケボリのようなカイの仲間もよく見つかります。
こうやってまとめてみると、同じかっちゃまの千手ドロップにある「ウミウシの壁」で見つかるウミウシとノースエンドで見つかるウミウシってあまり被りがない気がします。ウミウシ好きには千手ドロップもオススメです。
あまり派手ではないですが、この時期に個人的にお勧めしたいのはアオサハギやアミメハギの幼魚です。小さいものはほんと指先ほどしかないので見つけづらいんですが、これらの幼魚は体に対して目が占める部分が大きいので、目がクリクリっとしていてかわいいです。生まれたばかりだともうほとんど目が主役なくらい目の占める部分が大きくて「タマシイ」と呼ばれているらしいです。B ブイからエントリーしてすぐのところによくいます。
秋の景色
秋は魚群が少し落ち着いて、夏の終わりを感じさせます。上の写真は夏にカゴカキダイをはじめとして魚がよく群れているオドリカラマツのあたりで撮影した写真なのですが、魚はいるものの群れといいうには落ち着いた雰囲気になっています。
季節の移り変わりも見て取れます。夏には幼魚が多かったクマノミも成長して成魚が見られるようになります。ノースエンドでは冬には見られないので、この後どこかに越冬しに行ってしまうのでしょうね。
また、冬に成魚が見られるカエルアンコウの幼魚がよく見られるのもこの時期です。簡単には見つからない大きさですが、ちょこんと座っていてかわいいので、頑張って探す価値はあると思います。
秋にはウミテングがよく出没します。真正面に回るとズリズリ顔を背けてしまうシャイな魚です。改めて見てみると鼻が長いからウミ「テング」と呼ばれているんですね(多分)。その他、ユリハゼが見られたり、この時期特有のウミウシが見られたりします。
冬の景色
冬になると幼魚が目立つようになってきます。黄色が綺麗なミナミハコフグやハコフグの幼魚、ハナミノカサゴの幼魚も見られます。珍しいところでは、ホシテンスの幼魚が見られることもあります。ハナミノカサゴは成魚になってからも綺麗な魚ですが、幼魚はミノに光を当てると七色に輝いて綺麗なんです。ライトやストロボは必須ですぞ!
秋までクマノミがいたイソギンチャクを見に行くと、イソギンチャクはイソギンチャクはミツボシクロスズメダイの幼魚のものになっています。
冬になるとイロウミウシ系のウミウシが増えてきます。特に多いのがアオウミウシです。一度見つけたら最後、そのダイブで色々なウミウシを探そうとしても常にアオウミウシが見つかってしまうくらいあちこちにいます。
秋に幼魚がたくさん見つかったカエルアンコウが成長した姿なのか、カエルアンコウもよく見つかります。この時期ウミウシとなると千手ドロップの「ウミウシの壁」をお薦めされてしまうので、この時期のノースエンドの生き物情報は半分くらいカエルアンコウ(イロカエルアンコウ、クマドリカエルアンコウなど含む)で占められることもしばしばです。でもそれはノースエンドに他に生き物がいないわけではないのですよ。
この時期は水深20mくらいの深場にムレハタタテダイの群れが見られることがあります。関東の海とは思えない圧巻の風景でした。
潜降ロープ上に群れている魚がいる
潜降ロープについている浮きにはなぜかアミメハギとオヤビッチャ、ニジギンポがいます。通年いるかどうかは覚えていない(写真は秋に撮影したもの)のですが、無味乾燥になりがちの潜降や浮上中に楽しめるものがあるのはいいですね。
ポイントデータ
難易度 | 初級 |
形式 | ボートダイブ |
水深 | 8 〜 25m |
水温の目安 | 16 〜 18度(2月)、20 〜 22度(6月)、20 〜 23度(8月)、17 〜19度(12月) |