【東京・八丈島】ナズマド – 群れもマクロもウミウシも!八丈島の全てが見られるポイント!

東京八丈島ナズマドの風景

どんなポイント?

「八丈島で見られる生き物の大半はここで見られる」と言えるほどの八丈島を代表するポイントです。遠くの根の周りを潜るためにボートを利用するショップもありますが、基本であるビーチダイブでここで見られる大概のものが楽しめます。冬になると、ダイビング中にクジラの鳴き声が聞こえることもあります。
ナズマドの特徴をざっくりお伝えすると次の3つです。

ナズマドの特徴

  • ウマノセと呼ばれる根の周りでは様々な群れの他、ウミウシや八丈島を代表するユウゼンやハチジョウタツを見られます。
  • 無数のウミウシがいる、ウミウシ好きにはたまらないV字谷と呼ばれる場所があります。
  • サメなどの大物を狙える三角根という根があります。運が良ければ冬にはクジラに出会えるかも!?
東京八丈島で撮影したユウゼン

まず八丈島を代表する生き物を1つ挙げろと言われたら挙がるのがユウゼンです。日本固有種のチョウチョウウオで八丈島と小笠原でしか見ることができません。多くのチョウチョウウオのような黄色い派手さはありませんが、尻尾の先の黄色い部分と対照的に渋い色をした体が美しいチョウチョウウオです。玄人好みの魚とでも言いましょうか・・・。
5月から6月にかけて産卵期を迎え、この時期に見られるユウゼンの群れはユウゼン玉と呼ばれます。ただ、ガイドさん曰く「シーズン中のナズマドでもそう簡単には見られないですよー」とのことで、それなりに大きなユウゼン玉となるとシーズン中にひたすら八丈島に通うことになりそうです。ちなみに、私も狙っては行ってみるものの、見られたことはありません。遠目に10匹くらいというのが最高記録です。

東京八丈島ナズマドで撮影したアマミスズメダイの群れ
東京八丈島ナズマドで撮影したキホシスズメダイの群れ

ナズマドで群れているスズメダイは、アマミスズメダイとキホシスズメダイの2種類です。ウマノセに行く途中や三角根付近によく群れています。アマミスズメダイは特に幼魚が綺麗と言われますが、八丈島では3月くらいになると幼魚が群れを作っているのも見られるそうです。

東京八丈島ナズマドで撮影したアオウミガメ

アオウミガメにも高確率で出会うことができます。経験上、三角根方面よりウマノセ方面に行った時の方が確率が高い気がします。
もし、アオウミガメをメインに据えたダイビングをしたければ、流れのない八重根の方がオススメです。ナズマドはそれなりに流れることがあります。

東京八丈島ナズマドで撮影したアオヤガラの群れ

その他、エントリー口付近などの浅場では、アカヒメジやアオヤガラの群れが見られます。アオヤガラの群れは結構珍しいかもしれません。
以下ではウマノセ、V字谷、三角根それぞれの特徴を簡単にご紹介します。

ウマノセ

東京八丈島ナズマドで撮影したキンギョハナダイとキホシスズメダイの群れ

ナズマドで最もポピュラーな場所はウマノセと呼ばれる根です。至る所でキンギョハナダイやキホシスズメダイ、アマミスズメダイの群れを見かけます。

東京八丈島ナズマドで撮影したツバメウオの群れ

根の周りにはツバメウオが群れていることもあります。冬場だと幼魚も見られます。

東京八丈島ナズマドで撮影したアカマツカサの群れとテングダイ

ウマノセにはカラフルなサンゴが群生しているのに加え、様々な生き物を見ることができます。テングダイは至る所に、ちょっと根の奥を覗くと写真のようにナミマツカサやアカマツカサがいます。その他、ハリセンボンやチョウチョウウオ、タテジマキンチャクダイ(成魚/幼魚)、レンテンヤッコなどがよく見られます。

東京八丈島ナズマドで撮影したハチジョウタツ(ジャパニーズピグミーシーホース)

小さい生き物もたくさんいて、真っ先に名前を挙げたいのがハチジョウタツです。日本でしか確認されていなかったので長らくジャパニーズピグミーシーホースと呼ばれていたのですが、八丈島で採取された個体からそれまで知られていない種であることが確認されたのでハチジョウタツという名前がついたんだそうです。ガイドさんに探してもらわないと見えないくらい小さいですが、せっかく本家八丈島で潜るのであれば一度は見ておきたい生き物です。

東京八丈島ナズマドで撮影したオルトマンワラエビ

オルトマンワラエビも見つかります。もっと小さな生き物ではウミウシもたくさん見つかります。特にコンガスリウミウシとミゾレウミウシはナズマドの至る所で探さなくても目に入るくらいたくさんいます。

東京八丈島ナズマドのアーチ

ウマノセの中ほどにはアーチがあり、ここからウマノセの逆側に出ることができます。アーチの中にはチョウチョウウオやテングダイ、ハリセンボン、ホウライヒメジなどが常駐しています。

V字谷

V字谷は多くの場合、三角根に行く途中に通る通り道くらいでいるかもしれません。ところがここはマクロ好きにとってはたまらない、ウミウシポイントなんです。

東京八丈島ナズマドで撮影したアカマツカサ、ハリセンボンとタテジマキンチャクダイの幼魚

V字谷の谷底はこんな感じで、アカマツカサやナミマツカサのような暗がりを好む魚や、ハリセンボンがいます。タテジマキンチャクダイもよくいて、季節によっては幼魚が複数見つかったりします。壁面にはソフトコーラルやカイメンなどが群生しており、これがウミウシたちにとって都合の良い環境になっています。

東京八丈島ナズマドで撮影したシモフリカメサンウミウシ
東京八丈島ナズマドで撮影したルージュミノウミウシ
東京八丈島ナズマドで撮影した交接中のシロウミウシ(模様が違いすぎて異種交配に見える)

個人的にちょっと珍しいかなと思うウミウシをいくつか挙げてみました。上からシモフリカメサンウミウシ、ルージュミノウミウシ、シロウミウシ(交接中)です。シロウミウシは2個体の模様が違いすぎて異種交接に見えるのですが、個体差ってこんなものですかね?
その他テントウウミウシやミカドウミウシなんかも高確率で見られます。

三角根

三角根は少し沖に出たところにある根なので潮通しがよく、大物を狙える根です。三角根の頂点でじっとサメなどの大物が現れるのを待ちます。1月から3月の冬の時期には、激レアイベントとしてクジラが現れることもあるようです(現地ガイドでも見たことがない方がいらっしゃるくらいレアイベントなので、ファンダイバーはまず期待しない方が良いかと思います・・・)。

東京八丈島ナズマドで撮影したハナゴイとキホシスズメダイの群れ

三角根付近には、キホシスズメダイなどのナズマド定番の魚の群れの他、ハナゴイの群れがよくいます。

東京八丈島ナズマドで撮影したハナゴイとキンギョハナダイの群れ

三角根には窪みがあり、そこに溜まっていたキンギョハナダイとハナゴイです。三角根付近は流れが強いことが多く、写真では分かりませんが魚は皆流れに抵抗して泳いでいます。魚が一生懸命流れに逆らっている姿を見るのも面白いものです。
ダイバーは流れに逆らって泳いでいてはすぐにエア切れを起こしますので、岩等に岩等に掴まっていた方が無難です。グローブをしていくか、カレントフックの利用をお勧めします。

東京八丈島ナズマド三角根頂点から撮影したキホシスズメダイとアマミスズメダイの群れ

三角根の頂点で大物待ちしていた時に撮影した写真です。三角根付近にもキホシスズメダイやアマミスズメダイが蒸れています。
大物待ちというのはギャンブルダイブで、当たらなければ何も得るものがないというのが多くの場合ですが、三角根の場合、大物待ちしている間にも魚の群れがたくさん通りますので、空振りしても狙い損にはならないと思います。

東京八丈島ナズマドで撮影したイソバナ

三角根の行き帰りではこんな立派なイソバナにも出会うことができます。
潮の流れによっては、三角根から潮に乗ってドリフトのようにウマノセに行き、ちょろっと寄り道してから帰ってくるというルートを通ることもあります。このルートはそれなりに移動距離はありますが、一本で二度美味しいルートです。

ポイントデータ

レベル初級(流れている時の三角根方面は中級)
形態ビーチダイブ/ボートダイブ
水深5 〜 25m
水温の目安21 〜 23度(6月)、21 〜 23度(12月)

基本はビーチダイブですが、ボートダイブで遠くの根を狙うこともあるようです(私はボートの経験なし)。
水温は12月でも21度くらいあるので水中は5mmワンピースのウェットスーツで行けますが、地上が寒いのでドライスーツをお勧めします。6月はウェットで問題ありません。
ナズマド自体、流れることが結構多いポイントです。特に三角根方面は流れることが多いので、行く場合はガイドさんの言うことをよく聞き、水深やルートもガイドさんに合わせるようにしましょう。