【タイのダイビングスポット】ピピ島

タイ屈指の離島リゾート地であるピピ島を主にダイビングの観点からご紹介します。

ピピ島とは?

ピピ島はプーケットからフェリーで東に2時間ほど行ったところにある海が美しい島です。

実際には6つほどの島からなる諸島のことを「ピピ諸島」と呼び、その中で最も大きく、唯一人が住んでいるピピ・ドン島(Koh Phi Phi Don)を単にピピ島と呼ぶことが多いです。ホテルやレストランはピピ・ドン島にあり、ピピ諸島の他の島へは、ピピ・ドン島発のツアーで行くことになります。

最も有名な観光地はピピ・レイ島(Koh Phi Phi Lay)にあるマヤベイ(Maya Bay)です。映画『タイタニック』で一世を風靡したレオナルド・ディカプリオが次の出演作として選んだ映画『ザ・ビーチ』(2000年公開)の舞台となったビーチで、これをきっかけに世界中から認知されるようになりました。その魅力は、あまりの観光客の多さに環境破壊が懸念され、環境保護のために2018年10月以降断続的に閉鎖されるほど(徹底して自然と観光資源を守るというのは観光立国タイのとても素晴らしいところだと思います)。マヤベイの美しさはあれこれ語るより、タイ観光庁のサイトにある数々の写真をご覧いただくのが早いです。

ピピ島一帯の海は国立公園に指定されており、漁が禁止されていますので、島の近くでも魚の群れが見られるなど、美しい自然を存分に体験できます。

ピピ島の海

タイは熱帯なので雨季と乾季があります。ピピ島の雨季は5月から10月、乾季は11月から4月です。一般的には換気の方が海の状態は良いですが、タイの雨季はずっと雨が降り続くというよりは、一気に降って収まる感じなので、雨季でも十分楽しめると思います(旅費や滞在費が安い傾向にありますし)。

ビダノック Bida Nok

ピピ・ドン島からボートで南に20分ほど言ったところにあるピピ諸島最南端の島です。島の周り全域がダイブサイトなので、いくつもエントリーポイントがあり、数回では潜りきれないポイントです。

波が穏やかな湾があり、ピピ島でライセンス講習(オープンウォーター)を受けると、海洋実習の序盤はここを潜ることが多いです。

ポイント紹介は後日追記します。

マッシュルームロック Mashroom Rock

その名の通りきのこ型の岩が特徴的な、ピピ・レイ島北西部にあるポイントです。ピピ島近辺のポイント随一の群れポイントで、キンセンフエダイの大きな群れをいくつも見ることができます。色鮮やかなソフトコーラルも数多く棲息しています。マッシュルームロックの傘の部分にはソフトコーラルが群生しており、マ◯オのスーパーキノコのごとくド派手な色のきのことなっております。

あと、地味にウミウシが多いです。日本で見られない種もちょこちょこいますので、マクロ派ダイバーにも楽しめるポイントだと思います。

個人的に、ピピ島周りのポイントの中で一番好きなポイントです。

【タイ・ピピ島】マッシュルームロック -- キンセンフエダイの群れを狙え!
タイのピピ島にあるマッシュルームロックというダイビングポイントは、色鮮やかなソフトコーラルに彩られたきのこ岩と、その周りに群れるキンセンフエダイの群れが見どころです。

ピピ島で潜るには?

ピピ島に渡ってピピ島のショップを利用して潜る方法と、プーケットからの日帰りツアーで潜る方法があります。それぞれメリットとデメリットがありますので、併せてご紹介します。

第3の選択肢としてヒンデン・ヒンムアンダイブクルーズに参加して、ヒンデン・ヒンムアンに向かう途中にピピ島周りを潜るという選択肢はあるのですが、これはピピ島を潜ることを主目的にしていないこと、私が実際に参加したことがないことから割愛させていただきます。

ヒンデン・ヒンムアン行きたいんですが、なかなか時間が取れなくて・・・.

ピピ島のショップを利用する場合

ピピ島に滞在して潜るメリットとデメリットは次の通りです。

  • 1日最大4本潜ることができる
  • ポイントリクエストに応えてもらえる可能性が上がる
  • ピピ島への移動が案外面倒

ピピ島近辺のポイントであればポイントまでのボート乗船時間はトンサイ港から概ね20分程度なので、なんと言っても移動が楽です。時間もかからないので、最大で午前2本、午後2本の最大4本潜ることができます。

また、ボートがショップ乗り合いであることが少なく、ポイントリクエストに応えてもらえやすいです。

一方でピピ島は離島なので、ピピ島までの移動に時間がかかります。ピピ島には空港がないので、プーケットかクラビからフェリーを利用してピピ島へ渡ることになるのですが、それぞれの空港からフェリー乗り場までタクシーで1時間弱、ピピ島までフェリーで2時間程度と合計3時間程度かかります(クラビ経由の方が若干速い)。それぞれスピードボートが出ており、これを利用すると船での移動は1時間程度で済みますが、スピードボートは狭苦しく暑いという弱点があります。

ピピ島への具体的な行き方は別の記事でまとめようと思います。

ピピ島は数日滞在しても飽きないくらい賑やかなので、個人的にはこちらをお勧めします。

ショップはいくつもありますが、Dive Tribe さんがお勧めです。ピピ島最大のダイビングボートを所有している、日本人オーナーのお店です。水陸共にピピ島を知り尽くしています。

プーケットからの日帰りツアーを利用する場合

プーケットではピピ島2本+マリンパーク1本という日帰りツアーが毎日開催されていますので、これに参加することでピピ島周りでのダイビングを楽しむことができます。ピピ島でのポイントはビダノック1本、その他1本ということがほとんどです。

メリットとデメリットは次の通りです。

  • ピピ島に渡る必要がない
  • プーケットで様々なアクティビティを楽しめる
  • ボート乗船時間が長い
  • ポイントリクエストはまず通らない

メリットはプーケットに滞在しつつピピ島周りでダイビングできることです。プーケットはダイビング以外のマリンアクティビティや陸上施設が充実しています。ピピ島も飲食店は豊富ですし美味しいところもたくさんあるのですが、バリエーションの広さという意味ではプーケットには敵いません。様々なことを楽しみつつ、ダイビングも楽しみたいというのであれば、プーケット発のツアーに参加するのが良いと思います。

デメリットはボートの乗船時間が長いことです。ダイビングボートはフェリーより遅いので、プーケットのシャロン港からピピ島のダイブサイトまで2時間半から3時間かかります。大きなボートなので窮屈だとか揺れに苦しむことはまずなく、ゆったりとした船旅ではありますが、せっかちな方には辛いかもしれません。

ただ、ボートはとても快適で、ダイビングボートなので基本的には船室ではなく日除けもあるデッキで過ごすことができます。太陽の光を適度に浴びながらゆったりとした時間を過ごすのが好きな方にとってはむしろ魅力的な選択肢かもしれません。プーケットでよくお世話になるガイドさんは「3時間かけてのんびり行って帰ってくるのも好きですよー」と言っていました。私は潜りたがりなのでついピピ島に滞在してしまいがちですが、一回参加してみてこの気持ちはとてもよくわかりました。

もう1つのデメリットは、ポイントリクエストがほぼ不可能ということです。このツアーはプーケット全域のダイビングショップの乗り合いになりますので、ポイントリクエストはまず通りません。恐らくですが、行き先のポイントは申し込み時点で行き先のポイントはスケジューリングされているのではないでしょうか?(当日の海況で多少は変わるにしても)。

おすすめの宿泊地

まずは、トンサイ港から歩いてアクセスできるホテルをお勧めします。

ピピ・ドン島は山が多く、3つのエリアに分かれています。これらのエリアを結ぶ道路はあるのですが、ピピ島には(私の知る限り)レンタカー屋がなく、旅行者がこれらのエリアを行き来するにはボートを利用することになります。

暗くなってからボートは運行していないので、陽が落ちた時点でホテルのあるエリアにいる必要があります。観光客向けのレストランの大半はトンサイ港のあるエリアにありますので、夜のピピ島も楽しみたいとなると、夜トンサイエリアにアクセスできる場所が最適だと思います。個人的にはタイの離島に行って夜にファイヤーダンスを見るのが好きなので、これが確実に見られるトンサイエリアを選んでしまうというのはあります。

とは言っても、私はトンサイエリア以外に宿泊したことがなく、トンサイエリア以外の2つの地域の雰囲気を知りません。なので、これらのエリアがよくないという意味ではありません。単純に、ダイビングの起点となるトンサイ港やダイビングショップへのアクセスが良く、多くのレストランがあるのがトンサイエリアだというだけです。

私のように「国外離島に行ったら1日4本はもぐりたいでしょ!」みたいな潜りたがりでなければ、トンサイ以外のエリアに滞在するのは面白いと思います。この記事を書きながら Google Map で航空写真を見ているのですが、各地域特徴がありそうで、滞在してみたいなと思いました(そしてトンサイエリア以外にレンタカー屋を見つけました)。

観光

観光スポット

マヤベイ Maya Bay

ピピ・レイ島にあるビーチ「マヤベイ」です。ベイのエメラルドグリーンとビーチの白砂がとてもよくマッチしていて綺麗なスポットです。ピピ島に上陸したら必ず行っておきたいところです。

ピピ・レイ島の旅行代理店でツアーに申し込めます。環境保護のため断続的に上陸が制限されていますので、チェックしてから旅程を決めると良いと思います。上陸できなくてもベイの外からマヤベイを眺めるツアーは毎日行われています。

ビューポイント Phi Phi Viewpoint

ピピ・ドン島の高台です。写真のようにトンサイエリアを一望することができます。山頂から見る夕日もとても綺麗です。

標高は最高186mなので、ダイビング後にも登ることができます。

ロープウェイの類はないので、長い階段を登っていくことになりますが、頑張った分の見返りはあると思います。

ファイヤーダンス

トンサイエリアの北側のビーチにあるバーでは、ファイヤーダンスを見ながらビールを飲むことができます。

パフォーマーが超絶技巧を見せてくれる他、写真のように観衆参加型の時間もあるので、夜も楽しい時間を過ごせます。

飲食店

ピピ島にはたくさんの飲食店があります。観光地の飲食店は一般に夜遅くまで空いているイメージがありますが、ピピ島の夜は早く、21時にはほとんどの飲食店が閉まってしまいます。

その中から、個人的に好きな飲食店を2つご紹介します。

Only Noodles

パッタイ(タイ風焼きそば)のお店です。個人的にはこれまでタイで食べたパッタイの中でここが一番美味しかったと思っています。

夜遅くまでやっていますが、ちょっと入り組んだところにあってわかりづらいのが難点です。奥まったところにありますが、治安に問題はないので是非行ってみてください。

AE FISH BBQ

お世話になっているダイビングショップのオーナー曰く「タイ全土で最も美味しいタイ料理屋」。魚料理を中心としたお店で、どの料理もとても美味しいです。

あまり大きなお店ではないので、昼は12時前、夜は18時頃までには入らないと満席になりますので、早めの行動をお勧めします。

ピピ島への行き方

主にプーケットを経由してフェリーで向かう方法と、クラビを経由して向かう方法の2つがあります。かかる時間はどちらも同じくらいですが、プーケット発のフェリーの方が多いこと、日本から行くフライトがプーケットの方が若干多いことから、プーケット経由の方が若干便利かと思います。

プーケット経由ルート

詳細なガイドは後日別記事にまとめますので、ここでは概要だけお伝えしようと思います。

プーケットへは日本からの旅程であれば、バンコク(スワンナプーム/ドンムアン)空港経由、シンガポール経由、クアラルンプール(マレーシア)経由が主なルートになるかと思います。フライトコストを重視するのであれば、ドンムアン経由かクアラルンプール経由、タイバーツを良いレートで購入したければ(レートの良い両替所があるので)スワンナプーム経由が良いかと思います。

プーケット空港から直接ピピ島に向かう場合、乗りたいフェリーの出航時間の2時間半前までには到着するフライトを選ぶことをお勧めします。預け入れ荷物回収に30分、トンサイ港までのタクシーを手配して実際に乗車するまで30分(ここがやたらと時間がかかることがある)、プーケット空港からラッサダ港までタクシーで1時間、残り30分は余裕分です。フェリーのチケットはあらかじめ購入しておくか、道中で旅行代理店に寄ってもらって購入できます。

プーケットのホテルから行く場合、プーケット市内の旅行代理店で送迎付きのフェリーチケットを購入して向かうのが良いと思います(市内には至る所に旅行代理店があります)。チケットを買う際に、フェリーに間に合うよう送迎を手配してくれるはずなので、所要時間を考える必要はありません。

クラビ経由ルート

クラビへは日本からの旅程であれば、バンコク(スワンナプーム/ドンムアン)空港経由かシンガポール経由になるかと思います。

クラビ空港から直接ピピ島に向かう場合、乗りたいフェリーの出航時間の2時間前までには到着するフライトを選ぶことをお勧めします。預け入れ荷物回収に30分、フェリー乗り場までのタクシーの手配から乗り場到着まで1時間強、残りは余裕分です。

クラビのホテルから行く場合、近くの旅行代理店で送迎付きのフェリーチケットを購入するのが便利です。フェリーの出航時間に合わせた送迎をアレンジしてくれます。